広告は「みんなが持ってる!」をどう使うのか?

こんにちは、ウィルプランの制作担当です。
突然ですが、みなさんはこんな経験ありませんか?
「クラスの子がみんな○○○を持ってるから、自分も欲しい!」
学生時代に自分が言ったか、あるいはお子さんから
聞いたことがあるかもしれません。
この現象、実は心理学で「集団帰属欲」と呼ばれるものなんです。
今日はこの「集団帰属欲」を元に、
人間の心理と広告の関係についてブログを書きたいと思います。
1. 集団帰属欲とは?~「みんな持ってるから私も!」の正体~
「集団帰属欲」とは、簡単に言えば
「みんなと同じになりたい!」という気持ちです。
人間は社会的な生き物なので、どこかのグループに
属していたいという欲求が常にあるんです。
例えば、学生時代に「あの子たちが持ってるあのバッグ、
私も欲しい!」と思ったこと、ありませんか?
それは単にバッグが欲しいわけではなく、
「あのグループの一員になりたい」という心理が働いているからなんです。
この欲求は、心理学者エイブラハム・マズローが提唱した
「人間の要求の階層」でいうと、
なんと3番目に位置する重要な欲求なんです!
1番目は「生きるための欲求(食べる、寝るなど)」、
2番目は「安全の欲求(危険を避けたいなど)」、
3番目が「社会的欲求(仲間に入りたいなど)」です。
つまり、人間は生きるために必要なことと安全が確保されたら、
次は「仲間に入りたい!」と思うわけです。
これはもう、人間の本能と言っても過言ではありません。
2. 広告は集団帰属欲を利用する天才!
ここで面白いのが、広告の世界です。
広告主たちはこの「集団帰属欲」を巧みに利用して、
私たちに「買いたい!」と思わせるんです。
例えば、こんな広告を見たことありませんか?
「今、みんなが持っている○○○!」
「あなたもこの仲間に入りませんか?」
こういう広告を見ると、つい「私も持たなきゃ!」と思ってしまいますよね。
アメリカ広告界の第一人者、
ドルー・エリック・ホイットマンも言っています。
「最初の2つの要求が満たされたら、帰属や愛が最優先事項になる。
そしてこれは、また抜け目ない広告主が、
人を説得するためにつかんでおくべきチャンスである!」
つまり、広告主たちは私たちの「仲間に入りたい!」という
気持ちを利用して、商品を売っているわけです。
3. 憧れの力
では、どうやって広告は私たちの「集団帰属欲」を刺激するのでしょうか?
その鍵は「憧れ」です。
例えば、冒頭の「クラスの子がみんな○○○を持ってる」という例で言えば、
○○○を持っているクラスメイトたちが楽しそうに盛り上がっている姿を見て、
「私もあの子たちみたいになりたい!」と思うわけです。
広告では、この「憧れ」を最大限に活用します。
ターゲットとなる人たちが「憧れている存在」をリサーチし、
その憧れにマッチしたモデルや背景写真、言葉を選ぶことで、
「この商品を持てば、あの憧れのグループの一員になれる!」と思わせるんです。
例えば、若者向けのファッションブランドなら、
「カッコいい先輩が着ているあのジャケット!」という感じでアピールします。
4. あなたも無意識に影響されているかも?
ここでちょっと考えてみましょう。
「私は○○が欲しい!」と思ったとき、
その欲望は本当にあなた自身のものなのでしょうか?
フランスの哲学者、ミシェル・フーコー は、
「欲望」というものは個人が自然に抱くものではなく、
社会や権力の中で形作られるものだと考えました。
つまり、「みんなが持ってる○○○が欲しい!」と思う気持ちも、
実は社会が作り出した欲望かもしれない のです。
もちろん、「流行を楽しむこと」自体は悪いことではありません。
でも、一度立ち止まって、どんな言葉やイメージが
あなたの『欲しい!』という気持ちを動かしているのか、
少し意識してみると面白いかもしれません。
もし、それが「なんとなく周りが持ってるから」なら、
本当に必要なものかどうか、もう一度考えてみてもいいかもしれません。
5. まとめ~集団帰属欲と仲良く付き合おう~
というわけで、今日は「集団帰属欲」についてお話ししました。
人間は誰しも「仲間に入りたい」という欲求を持っているので、
それが広告に活かされるのも自然なことです。
でも、「みんなが持ってるから」という理由だけで選ぶのではなく、
「自分は本当にそれが欲しいのか?」を意識することも大切です。
広告は、ただモノを売るためだけではなく、
「こんな選択肢があるよ」「こんな世界が広がっているよ」と、
新しい可能性を提示するものでもあります。
だからこそ、大事なのは「どの広告に心を動かされるか、自分で選ぶこと」。
「みんなが持ってるから」ではなく、「私はこれが好きだから」。
そんな買い物の仕方ができたら、きっともっと楽しくなるはずです。
広告も、賢く使えばあなたの「本当に好きなもの」
を見つける手助けになるかもしれませんね。
では、今日の話が少しでもお役に立てたら嬉しいです!